Somebody Of Eternity
〜永遠の誰か〜
今はもう誰もいない
それが誰だったかは、忘れてしまった。
家族だったかもしれないし、親友だったかもしれないが、恋人かもしれない。
それら全てだったのかもしれないし、元より誰もいなかったかもしれない。
でも、その人が僕の永遠であった。
しかし、誰だろうが関係ない。今僕の周りには誰もいないのだから。
僕は一人闇に包まれた街を駆け抜けた。
僕は誰かを捜している。
それが消えた人なのか、全く別の誰かかもしれない。
だが、僕はひたすら捜している。
この永遠を捧げられ僕の前から消えてしまわぬ誰かを…
一年、五年、十年
長き年月を過ごし、何年経ったかのかも忘れたある日
僕は『彼女』を見つけた。
彼女は何処までも白かった。触れてしまえば消えてしまうのではないかと思うくらいに、
白く儚かった。
しかし、瞳の色は僕と同じ月のような黄金。
僕と対象の彼女、夜の街の唯一の『白』
僕は彼女に言う
「貴女を僕に下さい。代わりに僕は貴女に永遠を捧げよう」
白い彼女は何処までも黒い僕に言う。
「貴方を私に下さい。代わりに私は貴方に永遠を捧げましょう」
似ているようで全く違う。
『彼女』を捜していた黒い僕
『僕』を捜していた白い彼女
黄金の月が浮かぶ闇夜の街
そこで僕等は誓い、一つになった。
そして僕等は、深い闇に身を沈め
永遠の『誰か』を見つけた
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