序章



白かった彼女は、暗い洞窟の中で呟いた。

貴方は何時戻りますか?
戻ってくるまで、私はここで待って居ます。
真実の扉を開き、再び永遠と成れる時を待っています。
貴方は嘘を吐いてはいません。
嘘を吐いたのは私です。
貴方の永遠を裏切ったのは私です。
貴方は悪くありません。
都合の良い話ですが、私は貴方を待っています。
あの永遠を再び見られることを願っています…

黒かった彼は、とある話を聞いていた。

この世界には、どんな望みをも叶えてくれる神が居る。
何処かの誰かは言った。
それを聞いた彼はこう答えた。
望みとは叶えて貰うものではない。自らで勝ち取るものだ。
何か叶えて貰いたい望みは無いのかい。
何処かの誰かは言った。
それを聞いた彼はこう答えた。
ならば俺は、何処にも消えてしまわぬ、俺と永遠を歩んでくれる存在が欲しい。

かつて黒かった彼は、今は白くなった
かつて白かった彼女は、今は黒くなった

永遠と思えた出来事も それは儚い夢であった
しかし、互いを呼ぶ声が
白い彼と黒い彼女を引き合わせ

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